数学がわからないのは何かの病気?
国語や社会など、ほかの勉強では何も問題がないのに、算数だけ先に進むことができない・・・子供にもしそんな症状が見られたら、算数障害(ディスカリキュア)の可能性があります。
学習障害の一つである算数障害は、どんな原因で起こるのか、またその特徴や、チェックする方法をご紹介します。
この算数障害はレントゲンなどの検査で明らかになるものではなく、症状から推測するしかありません。
そのため、以下のようなチェックシートが用意されています。
1)数字を見て、正しく数字を言うことができない、読むことができない。
2)数字を聞いて、正しく数字を書くことができない。
3)具体物を見てそれを操作(計数するなど)して、その数を表すことができない。
上のような数の処理や数の概念(小さい方から「1、2、3…」と数詞を連続して正しく言うことができない)などの序列、数量感覚、簡単な足し算・引き算の暗算に時間がかかる、また九九の暗算に時間がかかるなどの計算や文章問題ができないなど、様々なチェック項目があります。
このチェックは、学校の授業の進み具合に合わせて行うことが必要なため、未就学時には判断が難しいとされています。
数学 わからない 病気
算数障害の別名は「ディスカリキュリア」と呼ばれています。
○算数障害の具体的な症状は、先ほども書いたように数の処理や数の概念などの序列、数量感覚、簡単な足し算・引き算の暗算に時間がかかる、また九九の暗算に時間がかかるなどの計算や文章問題ができないなどがあります。
ほかにも
・繰り上がり、繰り下がりが理解できない
・文章問題が苦手、理解できない
・図形やグラフが苦手、理解できない
等が挙げられます。
○いつから困難さが生まれるのか
学校生活では最初に足し算の繰り上がりや繰り下がりを覚えて計算することに困難が生じます。この段階で教師や保護者は「もしかして算数障害なのかな」と気が付くパターンも多いようです。
算数障害の困難が特に大きくなるのは、子どもが9歳を迎える時期だといわれています。
この年齢は、高度な算数の勉強が始まる時期です。低学年の時はなんとか頑張ってついていけていても、この時期に顕著な困難さがうまれる場合があります。
数学がわからない病気は、5つのタイプに分けられる
ディスカリキュリア(算数障害)には5つのタイプがあると言われています。
これは、2012年、8歳から18歳の300人がオンラインで受けた算数障害検査の結果を分析し、いくつかのパターンの導出を試みた結果です。
1)基本的な四則演算以上のことが理解出来ない
2)基本的な四則演算以上のことが理解出来ないが、戦略を編みだしている
3)時間やシークエンスの概念に乏しい
4)数の覚え間違いが多い
5)数と現実世界との関係性が理解出来ない
算数障害の原因は非常に根が深いといわれています。
「ディスカリキュリア」という言葉は通常、遺伝的に何かが機能しないことが原因で、算数障害が発生する人のことだけを指します。
ディスレクシアの人が算数を理解するためには、一般の授業ではない方法を活用することが必要です。
近年、発達障害についての認知が進み、その子にあった学習環境を用意してあげることができるようになりましたが、昔は…
発達障害は、家庭環境が原因であるという誤解がありますが、発達障害は生まれつきのものですので、親のしつけとは関係ありません。
しかし親が子の障害を認めない場合は、問題行動が悪化したという例はあります。
私が小学生の時は、まだ発達障害という概念はありませんでしたから、知的障害や身体障害のない児童は普通学級で学習していました。
当時、A君というとても無口なクラスメイトがいました。
A君は算数が苦手で、先生に問題を出されても、答えを言えませんでしたし、授業中はいつも黙っていました。
そんなA君の態度に、当時の担任は腹を立て、教室には担任の怒鳴り声が響いていました。
担任の怒鳴り声のあと、A君はドリルで頭を殴られていたのを私たちクラスメイトは、毎日のように見ていました。
素人が判断できるものではありませんが、もしかしたらA君は、何らかの発達障害だったのかもしれません。
脳の障害が原因で計算ができなかった可能性もあります。
現在のような療育や支援体制があれば、A君は算数の時間の度に殴られずにすんだのではと思えてなりません。
算数障害ではなく、数学恐怖症かも?
新学期が始まるたびに、数学の授業が嫌で仕方なかったという人がいるかもしれません。
それは単なる好き嫌いではなく、れっきとした「恐怖症」という心理学的症状であると、科学ジャーナル紙「The journal of neuroscience」に発表されたのです。
また、教師らはこの「数学恐怖症」に対し子供と一対一で治療と指導を行うべきだと同紙では述べられています。
スタンフォード大学で行われた検査では、3年生30人を対象に数学のテストを行い、その間の脳の様子を調べました。
その結果、数名の子供が正真正銘、試験を恐れていることが判明したため、その後、数学および恐怖症治療の両方の見識を持った指導員が、各生徒に対して一対一の認知指導療法を実施し、数学を教えるとともに、それに対する不安感を和らげるよう試みました。
8週間トレーニングを行った後、再度子供の脳を調べると、恐怖感は大幅に減少するか、完全に消失しており、成績の改善にもつながったといいます。
これにより数学恐怖症は治癒することがわかりました。
実は数学恐怖症とても深刻な影響を及ぼすと考えれています。一般的に小学校で算数が得意だった子供はその後、進学しても良い成績を修め、その後の人生でも成功する可能性が高いことが証明されています。

